計数調剤とは

薬剤師の業務である調剤行為には、「処方箋の受付」「処方箋の監査」「医師への疑義照会」「計量混合」「自家製剤」「無菌製剤」「一包化調剤」等があり、中でも代表的な調剤として「計数調剤」があります。
計数調剤は、「ピッキング」とも呼ばれ、内服薬、外用薬、注射剤等の数を処方箋に従って計数して取り揃える調剤のことをさします。

散剤や水剤の計量調剤とは異なり、シートやパッケージに薬品名・成分量が表示されていますので監査がしやすいという特徴があるのですが、業務頻度が多い上に、単純作業であるが為にミスが出やすい調製行為になります。
調剤器具や分包機等の道具を使うことなく、人の目と手だけを使う作業ですので、何度もチェックをしてミスを防ぐ工夫が必要です。

内服液の計算方法

通常、処方箋に記載されている「1日の服用量×日数」で全体量を計算し、1日おきや2日おきに服用する薬や、頓服薬、目薬、軟膏チューブ等は処方箋の個数分だけピッキングをします。

計数調剤の計算方法の注意点として、PTPシートは2シートを上下逆さまにして、薬剤がある方を内側に組み合わせて高さを揃えると計算しやすくなります。
2シート以上を調剤する時は、常に2シート毎に抱き合わせるようにセットしておきます。
端数が出る時には、PTPシートから出ないように、PTPシートごと、必要な数を切り取ります。

また、端数が1錠の時には、1錠を切り取って処方してはいけません。
以前PTPシートから取り出さないで服用してしまった事例があり、11錠必要な場合は、6錠+5錠を組み合わせるように調剤します。

計数調剤の際に注意すること

計数調剤は薬剤師の業務の中でも頻度が多い為、ミスが起きやすくなります。
計数調剤を行う際には、処方ミスや薬剤による医療過誤を防ぐ為にも、いくつかの点に注意しながら行うようにしましょう。

まず、PTPシートの上部には薬品名が書かれたタグが付いていますが、このタグは薬品の飲み間違いを防ぐ為に大切なものとなります。
調剤の際には破棄をしないように気をつけて、1シートに1つ、必ず付けたままにして投薬をしてください。
また、端数を切り取る場合でも、できるだけタグは残すように注意しましょう。
また、指先を切ってしまう恐れがありますので、タグの角や丸くカーブしています。
尖った角を作らないように、タグごと切断せず、タグを切らないように残して上下に2分するよう工夫しましょう。

PTPシートは10シート毎にまとめてナイロンテープで束ねられていることがあります。
このテープを残したまま中から1シート抜いてしまうと、9シートしかないのに10シートと計算してしまう可能性があります。
ミスを防ぐ為にも、1シートでも抜いたのであれば、ナイロンテープは破棄するよう注意しましょう。