一包化調剤とは

「一包化調剤」とは、服用するタイミング毎に、薬剤をまとめる調剤方法をさしています。
複数の種類の薬剤が処方された時や、服用の時間によって錠剤の個数や種類が異なる時に、患者が飲み忘れや飲み間違いをする可能性が高くなりますが、一包化調剤であれば、患者は薬の個数や種類を自分で計算する必要はありませんので、そういったミスを防ぐことができます。
一包化調剤は「ワンドーズ」と呼ばれることもあります。

例えば、朝は「薬Aを2錠、薬Bを1錠」昼は「薬Bを1錠、薬Cを2錠」、夕食後は「薬Aを1錠、薬Dを2錠」のように、複雑な処方設定だった場合、薬剤を毎回数と種類をチェックするのは患者にとって大きなストレスです。
そこで、一包化調剤であれば、「朝」と記された包に「薬Aを2錠と薬Bを1錠」というように既に調剤されていれば、患者は包に書かれた時間だけ確認するだけで、ミスをすることなく服薬することができます。

一包化調剤のポイント

一包化調剤のポイントは、予め飲む薬が1つの包にまとまっていることであり、患者の飲み忘れや飲み間違いを防ぐ効果があります。
また、薬の管理もしやすくなりますので、様々なミスを事前に防ぐことに繋がります。
高齢者の患者の中には、PTPシートから薬を取り出すことが困難な方もおられます。
そんな場合にも一包化調剤であれば、その作業は不要ですので飲みやすくなります。

更に、薬の種類によっては、1~2錠だけのバラ錠が処方されることがありますが、小さい薬だと飲む前に紛失の恐れがあります。
一包化調剤で管理することで、紛失のリスクも軽減できます。

一包化調剤の注意点

一包化調剤の注意点としては、調剤する際の時間が長くなってしまうということです。
患者がその為に長い間待たされてしまいますので、混み合った時間帯には、薬の受け取りを後で来てもらうように伝える配慮が必要です。
また、複数個がまとまって1包に入っている為、薬それぞれの効果について患者は理解しないまま飲むことになってしまいます。

薬の形を見て見分けができるような説明書が渡されますので、しっかり読むよう指示をして、患者自身も薬について学ぶ必要性について説明しましょう。
薬局によっては、病院と連携し、ネット予約や受付、FAXによる受付も可能になっていますので、病院にいる間に、薬局の受付けだけ済ませておくことで、スムーズに薬局で薬を受け取ることも可能です。
あるいは、処方箋を提出した時に、受け取り時間の目安を教えてくれることがあります。

時間に余裕がある場合には、一度帰宅して、ちょうど呼ばれるぐらいの時間に合わせて再度来局するように伝えてあげるとよいでしょう。
他にも、病院の外の薬局の利用もお勧めしてください。