介護

高齢化が進む日本において大切な薬剤師という存在

少子高齢化が進んでいるという事を毎日のように報道で聞きますし、雑誌でも社会問題として取り上げられています。
特に地方に行くと高齢化の問題は深刻です。

都市部に仕事が集中していることから若い世代は都市部、若しくはその周りに住まいを構え、仕事、学校に通っています。
高齢者の多くが地方に取り残され、老老介護となっていることも少なくありません。

内閣府によると平成26年、高齢化率は過去最高の25.1%、しかも人口が初めてマイナスになったという事なので、
これからさらに、子供が少なく高齢者が多いという時代が継続していくのでしょう。

高齢化が進むとどの家庭でも問題になるのが介護の問題です。
介護が必要な高齢者は年々増え続け、現代でも施設が足りない状況です。

そんな中、在宅介護を余儀なくされるご家族も多く、この在宅介護という現場に、薬剤師という資格者が求められています。
薬剤師は在宅介護についてどのようにかかわっていくべきなのでしょうか。

在宅介護をはじめるまで、結構複雑です

薬剤師が在宅介護に関わる事を、訪問薬剤管理指導といいます。
在宅介護に関わる訪問薬剤管理指導を行うためには、保険薬局から指導を行うという事を地方厚生局に届け出する必要があります。

在宅介護に薬剤師がどのようにして係るかは、
医師からの指示、患者さんからの依頼、薬局からの提案、介護支援専門員からの提案、多職種からの提案などにより係る事になるのです。

医師からの指示の場合、薬剤師が在宅介護の方の家に行く前に医師からの指示が必要です。
すでに医師から薬剤師に対して指示が出ている状態なので、訪問してから医師に情報提供する事もなく、
患者さんの方が同意すれば薬剤師として在宅介護に関連する仕事をします。

その他の場合、自宅介護している患者さんの状況を把握し、その後治療に薬剤師が参加する必要があるという場合、
医師に訪問する意義目的を説明し訪問指示を出してもらわなければなりません。

また要介護、要介護認定の患者さんは、介護保険制度適用状態です。
そのため、前もって介護保険被保険者番号の確認を忘れないようにしなければなりません。

身体状況をしっかり把握し服薬支援を

在宅介護となっている患者さんの中には、筋力が低下していてお薬を飲む力がなかったり、
軟膏を自分で開ける事が出来ないなど、補助が必要な場合もあります。

こうした服薬支援を行うことも薬剤師の仕事です。
この場合、お薬を1回分ずつにして飲むまでの作業を減らしたり、調剤方法を工夫する、また軟膏などは補助具を利用する等工夫します。

飲み間違い、残薬が多い場合

介護者や介護する側の立場にある方にもお薬の回数などをしっかり説明する事が必要ですし、
それでも飲み間違いや残薬が多いという場合、服薬カレンダーなどを利用し服薬指導を徹底する事が必要です。

嚥下障害をお持ちの方には小さい錠剤に変更する事もできますし、チューブで薬の経管投薬が必要な事もあります。
その判断をしっかり付けるのも薬剤師の仕事です。

その他障害をお持ちの場合

この他、目が見えにくくなっているとか、完全に視覚障害をお持ちの方などもいます。
また聴覚障害の方も介護が必要という状態の方がいます。

この場合、視覚障害をお持ちの方には点字、視覚シールを用いる、
聴覚障害をお持ちの方には、書面、手話などコミュニケーションが取りやすい方法を考えるといいでしょう。

常に在宅介護者と向き合い、身体の状況を把握し必要な行動をとる、時には医師に相談する事も看護師さんに相談する事等もありますので、
コミュニケーションを常にとっておくことも必要です。